リヨン日本人会短歌クラブ
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「つばさ広げて M.M.」

みなさま、こんにちは。

リヲンのつばさ・会員紹介の第三弾です。

今回は私、M.M.の記事を掲載します。
お時間があればお付き合いください。


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つばさ広げて    M.M.


 「野口領事、石田さん、リヨンに短歌会を発足させましょう」と言ったあの夜、佐佐木幸綱先生を囲んでの懇親会の5月7日、私の中の眠れる獅子が目を覚ました。心の奥底に畳んであった見えないつばさが何かから解き放たれ、わずかに動き始めた瞬間だった。そして今、歌が好きな多くの仲間とともに、『リヲンのつばさ』が大きくつばさを広げ、短期間にここまで羽ばたくことになろうとは、日本へヨーロッパへ発信する短歌会になろうとは、さすがにそのときは想像できずにいた。

 今はただ、短歌が好き、日本語のリズム・言葉が好き、文学が好きな仲間に恵まれ、短歌を詠むということを通して、それぞれが各々の家族・生活・人生・恋愛・過去・未来に向き合い、新しい自分を発見する姿を目の前に、あのとき思い切った発言をしたことは間違いではなかったと、自分の短所になりかねない無鉄砲さを抱きしめたい気持ちである。

 私と短歌との出会いは、幼稚園児の頃に遡る。その頃我が家ではお正月に家族で百人一首をすることが恒例だった。私が幼稚園児のときに7歳上の姉は中学一年生、彼女はすでに多くの歌を覚えていた。父も母もそれぞれ得意な取り札がある。春過ぎて・・、これやこの・・有名な歌は誰もが覚えている。小さい子供だから札が取れないのは悔しくて(笑)、手帳に拙い字でいくつかの歌を書きだしては覚えた。そして最初に自分の意思で覚えた歌がこれである。

 『朝ぼらけ有り明けの月と見るまでに吉野の里に降れるしらゆき 坂上是則 』

 なんてことはない、「白雪姫」のイメージに重ねて覚えたまでである。
その後も私が高校生の頃まで、百人一首はお正月の恒例行事として続いたので今でも半数以上は暗唱できる。高校の授業で短歌を改めて好きになり、大学生のときリュックを背負い二カ月弱ヨーロッパへ旅に出た時は、訪ねる街・町で歌を詠んだ。今でもその頃詠んだ何首かは覚えている。

 短歌はリズムが大事だと思う。我が家で百人一首をしていたときは父が一定の音程で読んでいた。そのリズムが幾千回重なり私の中で刻まれている。

 そんな短歌好き、百人一首好きだった私だが、そのリズムゆえに百人一首ができない期間があった。私事で恐縮だが、渡仏寸前の2002年のお正月に、父が当時小学生だった私の子供たちのために百人一首をしてくれた。百首よどみなく歌い続け、それを2度3度繰り返した。彼らにとっても大事なお正月になったと思う。そしてそれから間もなく、病に冒されていることがわかった父は、次のお正月を待たずしてこの世を去った。最後に百人一首をしたときにはすでに喉が痛く声は出にくかったに違いない。それから私は、お正月が来てもそのリズムが私を悲しませることを避けるため、その存在すら否定するかのごとく百人一首から遠ざかり、歌を詠むこともなく5~6年過ぎていった。

 今から思うと、自分では気づかなかったけれど、4~5年前にようやく父の死からふっきれたのかもしれない。徐々に百人一首をすることに抵抗を感じなくなり、短歌が好きだった自分も思い出し始めた。2年前、日本に一時帰国した際に短歌入門の本を一冊買ってみた。少しずつ少しずつ短歌に再び近づいていった。

 そしてあの夜、「眠れる獅子が目を覚ました」というのは大げさでないほどの短歌との衝撃的な出逢い・再会になった。佐佐木先生が文化交流史としてリヨンに来られたことに、そして周りの人たちに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいである。

 『いつわりとまことの境ゆくためにむかしも歌につばさはありき 佐佐木幸綱 』 

 9月の歌会でも推薦の歌として紹介したが、私に勇気を与えてくれる大好きな歌だ。気持ちにつばさをつけて、歌につばさをつけて好きに詠んでいいんだよと。むかしの人もそうやって詠ってきたんだよと。

 歌会で披露される歌、そして詠うことを通して伝えたいそれぞれの想い、自分に向き合う姿、合評時のみなさんの想像力などに感動を与えてもらいながら、この先もずっと詠っていきたいと思う。歌の、心のつばさを広げて。



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e0280187_1854667.jpg


写真は、佐佐木先生を囲む懇親会にて。 
短歌に関して質問をして、佐佐木先生に答えて頂いているところです^^。



次回はY.K.さん、そしてV.R.さんと続きます。お楽しみに。

事務局員の記事紹介が終わりましたら、続いて皆様に執筆依頼をいたしますので、
みなさまご協力のほど、よろしくお願いいたします。


M.M.
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by tankalyon | 2012-10-14 19:11 | リヲンのつばさ会員紹介